国産材のすすめ

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当店のこだわり(石種)

お客様御来店。

(ご商談の末、、、、)

お客様 「形は一般的な和型の8寸にします。この石ならいくらぐらいでできますか?」
当店 「そうですね。この石(中国産)で55万円です、そして、この石(国産)なら80万円です。で、この石が、、、、」
お客様 「え?この石とこの石似ているのになんでそんなに値段が違うの??」
お客様の心の声 (じゃあ、どれにすれば良いんだろう。。。)

よくある当店での商談風景です。

現在、墓石に使われている石は、外国産材(中国・インド・アフリカ・ポルトガル等)と国産材を合わせると100種類を越えています。というのも、実際に私が元々石材専門の卸し商社の営業マンだったことより言えるお話しです。
墓石に使われる石というのは、全国津々浦々の地域ごとに、まったく違います。元来のお墓に使われていた石は、その地域で採れる石が主となり、あとはその他の条件(地域の気候風土に合っている・お墓に加工しやすい・その地域の人々の好みに合っている等)に合っている石であると思います。現在でこそ、流通手段・流通網の発展に伴い、全国各地の石、そして世界各国の石が使われるようになりました。

国産材と外国産材

冒頭の価格のお話しに戻りますが、(※墓石の形状・大きさは一緒として)単に「産地が違う」から「価格が違う」というわけではありません。
その石の希少価値や、採掘コスト、石自体の人気度(売れ行き)等で価格は変わります。「外国の石だから、安い」というわけではありません。
厳に国産材より高い外国産材もたくさんあります。私達の地域(和歌山県紀南地方)に関して言えば、青みがあり、石目が細かい石が好まれます。
元は香川県産の青木石や愛媛県産の大島石が主流であり、その後、その石目に似た安価な中国産の石が出回り出していったことにより、「外国産(中国産)は安い」といったイメージがついていったように感じます。

良い石って?

一般的に私達石材店がいう「良い石」とは、経年変化の少ない石、言わば「硬い石」を言います。実際に石の硬さを実験で数値化したものがあり、1.吸水率 2.圧縮強度 3.見掛け比重(水に対しての重さ) の3項目で判断されます。要するに、「硬い石=水を吸いにくい石=経年変化しにくい」ということです。
実際にこの3項目において好成績を出しているのが、インド産材と国産材です。

国産材の魅力

もちろん、「硬さ」を考えるとインド材ももちろんなのですが、インド材は黒色系・グレー色系・赤色系のものが多く、私達の地域で好まれる色味・石目とは少し違います。洋型墓石やデザイン墓ですと色味も出て良いのですが、一般的な和型墓石となると、少し抵抗があるように思います。
そのような点も含め、当店がオススメさせて頂いているのは「国産材」です。今現在、実際に当店で建立させて頂いているお墓(洋型・デザイン墓含め)の約7~8割が国産材です。
実際にお客様よりお聞きした理由と国産材のオススメな点をまとめていくつか御紹介させて頂きます。

1.石の性質(石の硬さ)
石は、水と一緒に不純物等も吸います。やはり吸水率の高い石ですと自然と劣化しやすくなります。その点、吸水率の低い石=硬い石は経年変化がしにくいです。
(※あくまで個人的な見解ではありますが、愛媛県産大島石なんかですと硬さはもちろんのことながら、「水を吐く力」も強く、渇きも早いです。)
また、私達の紀南地方では、沿岸部にある墓地も多く、強い潮風に吹かれるために石の「硬さ」は非常に重要な選択基準となります。
2.石の性質(石の色味・石目)
国産材にも様々な種類の石があります。色味・石目も様々ですが、どの石もどこか落ち着きがあり、品があり、なんとも言えない「風合い」があるように感じられます。岡山県産万成石なんかですと、ピンク色の色味がある国産材ですが、決して派手な感じに映らず、やさしく上品な桜御影石として墓地を華やかに映し出してくれます。
3.各業界の著名人が建立している
歴代の首相・有名映画俳優・有名歌手等、各業界の著名人・有名人の方々が国産材でお墓を作られていることが多く、ファンの方などは「同じ石でお墓を」という方がおられます。
4.安心感・信頼性
墓石は、永代に渡り受け継がれていくものです。今後のリフォームや修復の際に外国の石ですと、同じ石が採掘されていないということも起こる可能性があります。
(※実際に中国では、近年採掘中止の山が増えて来ています。) 石種によれば、100年以上も前より採掘され続けている国産材の石もあります。
当店では、国産材の中でも採掘量の多い安心できる石を使用させて頂き、お客様にもオススメさせて頂いております。
※国産材で建立させて頂きましたお客様には、「石材産地証明書」を発行させて頂いております。
5.日本人としての「心」
自分を育ててくれた母親・父親への最後の親孝行という意味で、日本の石を選ばれる方もいます。
亡くなったご遺族の方を想い、偲んでのお墓の建立。やはり日本人ならではの感覚でしょうか、外国の石ではなく「日本の石」でという方が多いです。

まとめると、国産材は、長い実績と信頼性のある「お客様(建立する側)」も「石材店(建立させて頂く側)」も双方が安心できる墓石材と言えると思います。

最後に

ここまで、外国産材と国産材を御紹介させて頂きました。性質も様々で価格も様々です。ただ、当店としましては、「高級な石でお墓を作ったから良い供養ができた」とは思いません。お墓は建立してからが「供養の始まり」です。昔、亡くなったお父様の為に自分の車を売ってまでお金を工面し、中国産の石でお墓を建立されたお客様がいました。建立されてからも自転車で頻繁にお墓参りに行き、綺麗にされていました。このお墓は、亡くなれたお父様にとっても「最高のお墓」であり、「最高の供養」であると、改めて痛感させて頂いたことがあります。
亡くなられた故人様のことを想いながら、「お父さんのイメージにはこの石が合うんじゃない?」「お母さんの生まれ故郷の石にしてあげよう」などご家族で話合い、国産材・外国産材問わず後悔のない石選びをして頂ければと思います。元石材専門の卸し商社にいた経験を生かし、納得のいく石選びのお手伝いをさせて頂くことを御約束します。